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活動報告(一般公募コース) 第387号

日中科学技術交流「レーザーを自作し原子を観る」

岡山大学からの報告

 岡山大学では、2017年3月5日より3月14日までの10日間、蘭州大学・核科学技術学院(中国甘粛省)の学生および引率教員の総計10名を招へいし、交流プログラムを実施しました。

 本プラグラムの目的はは、中国の若手学生に素粒子の最前線を俯瞰する講義、レーザー技術やそれを用いた基礎物理実験の実験コースを提供し、もって日中科学技術交流を目指すことにあります。

 実際の交流の初日となる第2日目では、オリエンテーションの後まず交流会を持ちました。初対面にも関わりなく日本側学生教職員ともすぐに打ちとけあい、交流を深めました。

写真2
中国側および日本側の参加者による記念写真
写真3
交流会の風景

 第3日目は、2つの講義("Particle physics ― from quark to Higgs ―” and "Principle of lasers:how does it work?")の後、3つの小グループに分かれ、レーザーの自作に挑戦しまた。半田付に初挑戦の学生も存在したため不具合も散見されましたが、ほどなく完成、無事レーザー発振に成功しました。

 第4日目では、アルミ箔・カッターナイフおよび移動ステージを用いて、スリット間隔の分かった二重スリットを製作。これと自作レーザーを使って、ヤングの干渉実験を行い、レーザーの波長を測定しました。

写真1
ヤングの干渉実験風景

 第5日目は一旦実験を休み、兵庫県にある高輝度放射光施設(Spring-8)および自由電子X線レーザー装置(SACLA)を見学しました。Spring-8のビームラインで、岡山大学の院生より実際の実験状況の説明を受け、また加速器の内部も見学することもできて、貴重な体験となりました。

写真4
Spring-8加速器内部での見学風景。

 第6日目は、2つの講義("Neutrino physics with atoms" and "Coherence in Physics")を聴いたのち、再度実験に戻り、レーザーをパルス運転するためのパルス回路を製作しました。これによりレーザー光の強度やパルス幅が可変となりました。

 第7日目は、光検出器の読み出し回路を製作しました。用いた光検出器は、MPPC (Multi-Pixel Photon Counter)と呼ばれるガイガーモードAPDをマルチピクセル化したフォトンカウンティング (光子計測)デバイスで、単一光子の検出も可能となります。

 この装置を使い、レーザーから出射される光子の数分布が、ポアソン分布に従うことを確認しました。この過程でポアソン分布の意味や使い方なども学びました。

 第8日目および第9日目は、以上製作した器具を使い、単一光子によるヤングの干渉実験を行いました。この測定が今回の眼目ですが、予期せぬ雑音に悩まされ、夜遅くまで奮闘しました。

写真8
単一光子によるヤングの干渉実験風景
写真9
単一光子によるヤングの干渉実験の結果一例

 最終日の10日目では、実験結果の報告会を催し、各グループからの実験結果を持ち寄り、実験の総括を行いました。中国の学生たちにとり挑戦的な実験が続きましたが、非常に充実した10日間を提供できたと考えています。

写真5
自作レーザー回路とその写真(報告会での資料より)
写真6
パルサー回路とその実物写真 (発表会資料より)

写真7
MPPCとその読み出し回路製作 (発表会資料より)
写真10
発表会写真

平成28年度 活動報告