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活動報告(一般公募コース) 第362号

水分野における日本・スリランカ双方向学習プログラム

中央大学理工学部からの報告~その1

 平成28年度もさくらサイエンスプランの支援を受け、スリランカと日本において、環境工学や河川工学を学ぶ大学生に、双方向に学習出来る機会を提供するため、スリランカのペラデニヤ大学土木工学に在籍する学生10名、教員1名を中央大学理工学部に迎え、日本人学生を交えて、の7日間(2017年3月2日~3月9日)に渡る座学、スタディーツアー、ワークショップ等の研修を行いました。

■1日目(到着、ガイダンス、ラボツアー)

 スリランカから学生10名、教員1名の一行が無事に成田空港に到着しました。空港から大学に向かうバスの中でゆっくり休んでもらい、大学に到着した時にはみんな元気を取り戻して、午前10時30分には1日目の活動を開始しました。

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成田空港に到着。深夜便で3時間しか眠れなかったそうです。
 

 はじめに、さくらサイエンスプランの目的と今回のスケジュールについて簡単に説明し、その後、今回の研修テーマである「水管理」について、その重要性と学習する意義について、実施担当者である理工学部 山村寛准教授からレクチャーがありました。

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ガイダンスに続けて、全員の自己紹介タイム。

 午後はラボツアーを実施しました。ラボツアーでは、計算力学研究室を訪問し、VR技術による津波シミュレーションや、水処理・水質測定に関する研究室を見学し、その後、大学構内の施設や学科などを紹介しました。

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研究室を訪問。

■2日目(座学、研究紹介、歓迎会)

 2日目の午前中は、日本の水管理についての座学です。日本は多くの食料と肥料を輸入に頼っていることから、1講目は水-エネルギー-食料の連携について取り上げ、下水道を介したリン資源のリサイクルの取り組みを紹介するとともに、これらの循環技術についてスリランカへの適用可能性を議論しました。

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歓迎会にて集合写真

 2講目は、日本の河川管理について取り上げました。理工学部山田正教授から、国内河川の特徴やこれまでの河川行政に関して説明があり、さらに、確率降雨強度を取り入れた、最新の河川計画手法についても紹介がありました。

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日本・スリランカの交換講義?(山田先生)

 中でも、「スーパー堤防」に関する内容が最も学生の注目を集め、建設技術面や導入方法等、たくさんの質問が出ました。学生を引率するラシタ先生からは、スリランカでもすぐに採用したい技術であり、今回のプログラムにおける一番の収穫であったとのコメントがありました。

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日本・スリランカの交換講義?(ラシタ先生)

 午後は、引率教員のラシタ先生より「スリランカの水事情」と題して講演がありました。スリランカでは、日本の援助もあり、昔からダム、貯水池、水路を数多く建設して、効率的に洪水管理や渇水対策を行ってきました。しかしながら、近年、これらの貯水池における水質悪化や、貯水池の統合的管理等の課題が生じているとのことでした。

 また、地下水中の何らかの成分に起因する腎臓障害が発生していて、原因究明と対策が急務という指摘もありました。スリランカは、水の量と質の両面において発展途上であり、今後、国際的な連携により課題解決を加速させために、さくらサイエンスプログラムへ期待したいという内容でした。

 その後、ペラデニヤ大学の学生2名がメタン発酵と水処理に関して、中央大学学生2名が嫌気性微生物処理と浄水処理について、それぞれの研究を紹介しました。

 夕方には学内で歓迎会を開催しました。理工学部において国際交流プログラムを推進している樫山和男教授から歓迎の挨拶があり、留学生交流サークルが企画したアイスブレークゲームで懇親を深めました。歓迎会を通じて両大学の学生はすっかり打ち解け、仲良くなった感じです。

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混成チームでゲームタイム

■3日目(浦山ダム、滝沢ダム、三峯神社)

 3、4日目は1泊2日で埼玉県秩父に研修旅行に出かけました。秩父は荒川の上流に位置し、荒川の流域管理にとって非常に重要な場所で、本研修では荒川流域の最上流部に位置する浦山ダムと滝沢ダムを訪問し、ダムの機能と役割について学習しました。

 浦山ダムでは、水資源機構の国枝様より水資源機構の役割と組織について説明いただいた後、ダムを見学しました。浦山ダムは、荒川に4つあるダムのうち、最も高いダムです。全員ダムの下をのぞき込んで、その高さに圧倒されていました。また、エレベーターでダムの下にまで降り、ダムの日常管理方法について説明を受けました。

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浦山ダムにて説明に聞き入る様子

 浦山ダムに続き、滝沢ダムを見学しました。滝沢ダムでは、ゲートを上げるためのワイヤーウインチが備えられた部屋を特別に案内していただいたほか、点検階段を見学・体験しました。この階段はステップが金網製で階下が見える構造なのですが、足がすくむ学生が多い中、スリランカの学生は嬉々として写真撮影をしていました。

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滝沢ダムにて記念撮影

 ダム見学の後、三峯神社を参拝しました。三峯神社は、日本3大霊場とも呼ばれ、日本の文化に触れるよい機会となりました。晩は和風旅館に宿泊しました。両大学の学生がひとつの部屋に集まって、お互いの学校生活や日常生活について話し合う中で、親睦が大変深まりました。

その2へ続く

平成28年度 活動報告