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活動報告(一般公募コース) 第307号

高エネルギー効率社会基盤材料の先端研究技術のアクティブラーニング

富山大学大学院理工学研究部からの報告

 平成29年2月27日から3月7日、富山大学大学院理工学研究部(材料機能工学専攻)では、ハノイ工科大学材料科学工学院の修士課程及び博士課程の学生10名と教員1名を受け入れ、さくらサイエンスプランによる交流を実施しました。

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演習の様子

 ベトナムはとくに近年、日系企業の進出が目覚ましく、製造技術を中心として金属素材、機械、電気、情報系の産業が大きく展開されています。

 これに伴い、国内大学はもちろん、富山県内企業においては、ベトナムからの研修生の受け入れに加えて、工学・理学、経済、人文の分野において、本学で修学した学生の採用に関する問合せも増加しています。

 本事業では交流を大きく発展させて、定常的に大学院生が交流する体制を構築し、東南アジア地域の若者を国際的に活躍する高度技術者に育成することを目的としました。

 そのため、プログラムの講義では、本専攻で培ってきた電子顕微鏡によるナノ技術を駆使したアルミ合金組織研究法を講義・演習しました。

 また、自動車メーカーと共同研究を行っている鋳造技術は、もの作りの基本であり、プログラムの初めに体験学習を行いました。

写真2
鋳造実習の風景
写真3
鋳造実験室の見学

 さらに、産学連携で培った富山地域産業の優れたアルミ産業技術を学習するために、富山県アルミ産業協会の協力を得て、地域企業2社を見学・実習を行いました。

 プログラムの最後には、本専攻の大学院生とグループワークで「もの作り競技会」と研究発表会を行い、ベトナム学生の本学への留学の関心を高めるとともに、本学の日本人学生にも、貴重な国際交流の機会を提供しました。

 交流実施1日目は、夜の到着となったため、宿泊のホテルへ移動のみとなりました。

 2日目、宿泊したホテルから富山大学工学部までは、路面電車と徒歩で約30分の道のりを移動し、初めにオリエンテーションを行いました。

 その後、軽金属(アルミニウム合金、マグネシウム合金)の製造・鋳造に関する講義を行い、午後はアルミニウム合金の鋳造実習を行いました。夜には、工学部副学部長、材料機能工学専攻の教職員・大学院生、本学国際部職員とプログラム参加者とで歓迎会を行いました。

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アルミ製造技術に関する議論の様子

 交流実施3日目では、午前中に軽金属合金の腐食・防食、リサイクルに関する講義・実習を行い、午後に軽金属合金の溶接に関する講義・演習を行いました。この間、昼に本学学長を訪問し、懇談を行いました。

写真5
学長訪問の様子

 交流実施4日目では、地域のアルミニウム製造企業の見学として、三協立山(株)を訪問しました。プログラム参加者には、軽金属の鋳造を研究している大学院生がおり、企業技術者と専門的な議論が活発に行われました。

 午後には高岡地場産業センターで鋳造実習行い、錫の杯を作製しました。

 交流実施5日目には、地域企業見学として、YKKAP(株)およびYKK(株)を見学しました。また、ファスナー製作の体験実習を行いました。

写真6
ファスナー製作の体験実習風景

 交流実施6日目では、北陸の歴史と文化を学ぶ目的で、富山県南砺市の相倉合掌造り集落と石川県金沢市の兼六園・金沢城を見学しました。初めて雪に接する学生ばかりで、大変興奮して雪の感触を楽しんでいました。

 交流実施7日目には、軽金属合金の溶接に関する講義、および組織観察データの解析に関する演習・発表を行いました。

 交流実施8日目では、プログラム参加学生と本学の材料機能工学専攻学生の混成5チームによる「アルミニウムを利用した工作実習コンテスト」を実施しました。

 テーマは、「ビルの4階から落下させる生卵を保護する器具をクッキングフォイルで作製すること」。前回プログラムのコンテストより、利用するクッキングフォイル量を半減したため、約8割失敗する結果となりました。

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作製した保護器具を持って不安な表情
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試技が失敗してしまった様子

 コンテストの後に、プログラム参加学生と本専攻学生による討論会と修了証授与式、そして送別会を行いました。

 この交流を通して、両校の大学院生の交流が活発に行われました。アンケート結果は、全員が今回の日本訪問について” Very satisfied”と回答しました。

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五箇山の見学風景

写真10
送別会の様子

平成28年度 活動報告