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活動報告(公募計画コース) 第244号

バイオディーゼル燃料を用いたナノ粒子の計測実験体験プログラム

帝京大学理工学部機械・精密システム工学科 森一俊さんからの報告

 日本丸が雨に煙り、赤レンガ倉庫とベイブリッジが夕陽に輝いた2016年10月8日(土)夜8時、中華街の一角で、笑顔溢れる素敵な別れが訪れました。

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ようこそ日本へ!

 そう、帝京大学理工学部初の「さくらサイエンスプログラム」でインドネシアとベトナムからの訪学生達とのお別れの日。「素晴らしい体験をありがとう!」「また会おうね!」訪れた学生達は、皆、素晴らしい笑顔で、短かいながら沢山の体験をした感動を語り再会を希望してくれ、招いた我々帝京大学の教職員に喜びを齎してくれました。

 一週間前の10月2日(日)午前、インドネシアからの学生2名(Clive Clarence君とBenhard Pratama君)、ベトナムからの教員1名(Dr. Pham Tuan Anh先生)と学生2名(Pham Lam Thanh君とVo Hoang Sang君)は無事に成田空港に到着、帝京大学職員の野崎さんの出迎えを受け、バスで宇都宮に向かいました。

 宇都宮駅で待つインドネシアからの留学生(大学院生)のStefan Christiansen君と大学職員の小久保さんと合流、ホテルにチェックインしました。さぁ、日本の初めての夜はどんな夢を彼らに運んでくれたのかな?

 10月3日(月)早朝、バスで帝京大学理工学部宇都宮キャンパスに到着、波江野理工学部長以下の大学教職員との挨拶を交わし、大久保さんと森の案内でキャンパスツアーを行いました。


キャンパス見学中の一行

 T2&T3などの実機や人工衛星およびHⅡロケットの実機模型展示の格納庫や体育館に図書館そして授業風景も見学。彼らの通っている大学と比べ、学生がキャンパス内に屯して居ない事が不思議そうでした。

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格納庫を見学中

 「講義中は構内に学生少ない」旨の森の回答に納得。自然に囲まれ設備の充実した綺麗なキャンパスに満足の様子でした。学食でお昼を食べ、午後一に機械・精密システム工学科の教員を紹介した後に森の研究室の学生達との交流、森研究室の研究内容と今回のプログラム内容を説明し協議し、学生達同士の国を超えた楽しい交流が幕を開けました。

 そして夕方、キャンパス内のキャンティーンで波江野理工学部長主催の歓迎会が開かれ、その交流の輪が大きく広がりました。

 10月4日(火)朝9時から、森研究室の実験室にて、直列4気筒過給インタークーラ付3L直噴ディーゼルエンジンを用いた体験研究を開始。軽油とバイオ・ディーゼル燃料(BDF)を燃焼させた際の出力やトルクおよび燃料消費率、COやHCおよびNOxなどの排出ガス、そして、EEPS(Engine Exhaust Particle Sizer)を用いたナノ粒子数や粒子径分布の計測実験を、森研究室の大学院生(Stefan君含む)と卒研生と一緒に行いました。

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ディーゼルエンジン見学中

 軽油とBDFの違いを把握しBDFの有用性を認識させました。と同時に、大気環境保全のために将来はインドネシアやベトナムにも規制導入される可能性の高い、ナノ粒子数計測などの世界最先端の計測装置に触れさせ計測体験させました。

 学生同士で昼食を採った後、午後の試験中にエンジントラブルが発生したため、試験を中止し訪学生も含めて善後策を全員で協議。その内容は彼らにとってトラブルシューティングの研究体験としてなかなか得難いとても貴重なものとなりました。

 10月5日(水)は朝から森研究室の大学院生と卒研生を講師に、4日(火)の計測データの解析を行い、トラブルも含めた研究体験を訪学生達に自分の物として根づかせる事が出来ました。

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データ解析&発表準備中の様子

 解析と纏め作業の後昼食を採り、森研究室の大学院生と学生達の引率で、世界遺産の日光に参拝に行かせ、日本の歴史文化に触れさせました。好印象だった様子です。

 10月6日(木)は、大学職員の川又さんと森の引率で、ホンダツインリンクもてぎのコレクションホール(ホンダの車博物館)を見学しました。

 マン島レースで優勝したバイク、F1フォーミュラで優勝したレーシングカーの実物に触れ、アシモ君やUni-Cabのパフォーマンスを見学、ホンダの技術ポテンシャルの高さを体験出来て大喜びでした。

 昼食を栃木の田舎風レストランで採り、三菱ふそうトラック・バス(株)喜連川研究所に向かいました。大型観光バスに乗車、最外周220km/hで走行可能な6レーンでの走行は流石に無理だったが5レーンを大型観光バスで140km/hで走行したり、低摩擦路(雪道やアイスバーンの模擬路)でパニック・ブレーキを踏んだ際に大型観光バスが半回転して停止したり、ABS装着で安全に停止する車両挙動を体験する度に大歓声が上がっていました。

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三菱ふそう技術者とのQ&A

 東洋一の電波暗室や最新エンジン試験設備の見学では、改めて技術ポテンシャルの高さを再認識して居ました。

 企画した三菱ふそうトラック・バス(株)の技術者達との技術討議では、車両開発の進め方や期間、コスト関連のQ&Aが活発でした。森の古巣の三菱ふそうトラック・バス(株)の関係者の方々に深謝します。そしてホテルに戻る前に夕食に食べた回転寿司は忘れえぬ体験だった模様。

 10月7日(金)は朝から、午後の報告会の準備のための報告書と発表用パワポ作成に尽力しました。

 昼食を採った後15:00から波江野理工学部長および大学教職員&大学院生&学生達の前で、各自15分の発表と10分のQ&Aを熟しました。

 英語でのプレゼンでしたが、皆上手にこの一週間の研究体験を纏め発表しました。特に、データや現象のReason & Whyを考え解析&分析を入れたパワポの作り方が素晴らしいものでした。

 勿論!発表もQ&Aも堂々として居り、彼らのレベルの高さを痛感しました。

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発表中のThanh君

 波江野理工学部長から、体験研究修了書を贈呈され、夕方からの送別会を迎えました。訪学メンバからの感謝の言葉はそれぞれ味が有る中で全員が「来て良かった」「帝京大学のホスピタリティに感謝」「また日本を再訪したい」などのメッセージをいただき、関係者一同苦労が報われ大感激。名残惜しい想いを込め、各々が握手しハグし満面の笑顔で別れを惜しみました。。

 10月8日(土)の朝の新幹線に乗り、Stefan君の引率で上京、東京駅で野崎さんの迎えを受けました。

 彼らとの別れを惜しむかのような天からの滴を肩に受けつつ横浜のみなとみらいのホテルに投宿。森と森の家族も一緒に迎え、雨中を歩き日本丸に挨拶し、みなとみらいのランドマークタワー内に在る「五右衛門」で昼食を採りました。

 目の前には訪問予定の「三菱みなとみらい技術館」。三菱重工十八番の風力発電や深海6500、客船ダイヤモンドプリンセスにHⅡロケットそしてMRJなど、三菱重工が手掛けて居る世界最先端技術の数々を、知人の三菱みなとみらい技術館館長の野中さんの懇切丁寧な説明を受け、全員が大感激しました。

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10 HⅡロケットを背に!

 野中さん、ありがとう!見学後、雨が上がり太陽が顔を出したみなとみらいを赤レンガ倉庫迄散策。赤レンガ倉庫では単独行動とし、レンガ内の大混雑の中で日本の若者たちのエネルギも感じてくれたと思慮しました。

 中華街に移動し本当に最後の別れの宴。どの国でも愛される中国料理の、日本での味はどうだったかな?来てくれたThanh君& Sang君、Clive君& Benhard君、そしてDr. Anh先生への沢山のありがとう!を胸に、感涙のハグで別れを告げました。

 10月9日(日)の早朝、横浜駅のバスターミナルで野崎さんの見送りを受け、家路に着いた彼らの胸中に、いつまでも消えない素敵な日本の想い出が残った事を祈念しつつ---活動報告を纏めました。

Thank you everyone ! Let’s see you again!

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本田宗一郎記念碑前にて
写真10
ありがとう!また会おうね!

活動報告