2016年度 活動レポート 第189号:首都大学東京理工学研究科生命科学専攻

2016年度活動レポート(一般公募コース)第189号

国際的な研究のリーダーを育てることを目指した日韓交流プログラム

首都大学東京理工学研究科生命科学専攻からの報告

さくらサイエンスプログラムにて、ソウル市立大学 (Univeristy of Seoul) 生命科学専攻から大学院生5名、大学生5名、教員1名が、2016年11月17日から23日、首都大学東京理工学研究科生命科学専攻に滞在しました。

本プログラムでは、首都大学東京生命科学専攻の大学院生の主体的な企画による交流活動を通して、将来の国際的な研究のリーダーを育てることを目指しており、10月初めに公募で集まった大学院生からなる、学生企画委員が企画、実行のほとんどを行いました。

まず、11月17日に成田に到着する一行に、学内の案内、歓迎会を行いました。歓迎会では、お互い、大学院生による、大学の紹介、各研究室の紹介がありました。

歓迎会での集合写真
歓迎会での交流の様子

18日には首都大学東京にて、東京都医学総合研究所、東京都健康長寿医療センター研究所の共催で、バイオカンファレンスが開催され、3機関の教職員およびソウル市立大学のHwan教授の講演、首都大学東京の院生、ソウル市立大学院生のポスター発表が行われ、その後の懇親会で交流を行いました。

バイオカンファレンスで質問をするソウル市立大学の大学院生
ポスターセッションの様子

週末の19日-20日は、あらかじめソウル市立大学の学生の希望をこちらの学生企画委員が聞き取り、一緒に東京視察を行いました。特に学部学生はこのアクティビティを楽しみにしていたようでした。

21日-22日は、10人の学生が5つの研究室に分かれ、研究室で実際に研究を体験してもらいました。

本校学生の報告書の一部を研究室ごとに紹介します。

動物系統学研究室

材料は私が研究に用いているアリ類、もしくは昆虫とした。学生に、独自の研究を考えてもらい、実行してもらいました。アリの行動をじっくり観察し、ゼミに参加してもらい、研究室の学生の研究内容を知ってもらいました。

神経生物学研究室

「生きた標本を使い、リアルタイムにその動きと神経系の電気的現象を記録しながら、そのしくみを調べる」という研究室の理念、および実際の研究を知ってもらうため、まずは野外での実験動物の採集を行いました。
そして、採集した動物を用いて神経活動を解析するための電気生理学実験、その神経機構を知るための組織学実験を行いました。

神経生物学研究室 アメフラシの解剖

環境微生物学研究室

実験を通じて、光合成細菌について理解を深めてもらいました。ディスカッションしながら、疑問点を話し合うことで、自分たちの研究に対ししても気づきがありました。
また、研究の話だけではなく、今後の将来や、互いの国の政治の問題点や、文化の相違についてなどについて話す機会がありました。研究室での交流と実験補佐を通じて、自身の研究の促進と視野の広がりが達成できました。

環境微生物学研究室 光合成細菌の培養

植物生態学研究室

広い植物生態学とその手法について学んでもらい、マクロ分野の面白さを知ってもらうことができました。実験手法では、ひとつひとつの手順にどれだけ時間がかかり、実験計画がどのように重要であるか理解してもらいました。
フィールド手法では、ただ単に植物を眺めるだけでなく、焦点を絞って計測することで、植生の理解に繋がり、興味深い点があるか体感してもらいました。教科書や論文などからでは学ぶことができないことを理解してもらえました。

植物生態学研究室 研究計画発表会

動物生態学研究室

留学生の希望を踏まえ、野外活動を多く取り入れた、動物生態学の研究に関係のある活動を企画し、実施しました。
1日目は多摩動物公園見学、2日目は日向緑地および研究室での研究紹介とそれに関する議論を行いました。各自の研究紹介では、研究対象の生物とのふれあいや実験の体験を実施することで、自然現象や生物についてより深く議論できるようにしました。

動物系統学研究室 アリの観察装置の作成
動物生態学研究室 多摩動物園見学

首都大学東京の大学院生が自主的に様々な企画を行う姿に、ソウル市立大学の学生が非常に驚いていたのが印象的でした。

そのこともあり、2月に10名の院生がソウル市立大学に招待されることになりました。あちらの学生から、学生企画委員に感謝し、特に企画委員を中心に招待したい旨の連絡が届いています。

このような企画を可能にしてくださったさくらサイエンスプログラムに感謝いたします。

明治神宮に参拝