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活動報告(公募計画コース) 第27号

中国・フィリピン・ベトナムの学生との研究交流活動

東京理科大学理学研究科 物理学専攻 梅村 和夫教授からの報告

 2016年8月2日から11日まで、中国・浙江大学、フィリピン・ミンダナオ州立大学イリガン工科校、ベトナム・ハノイ工科大学から各3名、計9名の学生が来日し、東京理科大学神楽坂キャンパスに滞在しました。

 うち8名は博士後期課程を含む大学院生、1名は学部学生です。2014年度、2015年度にもJST支援により、浙江大学から招へいを行っており、今回はフィリピンとベトナムを加えてさらに交流を深めることができました。

 被招へい者の中には、私どもと同じバイオや環境に係る材料を研究対象とする学生もいれば、理論研究をテーマとする者、また物理系、化学系など、土台となる学問分野はそれぞれ異なっており、異分野交流の要素も多くありました。

 今回のプログラムでは、大学内での共同実験、屋外での微生物採集、オープンキャンパスでの研究室見学、本学OBが経営するベンチャー企業訪問、日本科学未来館見学など、昨年までと同様の内容に加え、留学説明会、各自の研究テーマのミニ発表会も行いました。ミニ研究発表会は急きょ実施が決まったにも関わらず、皆さん乗り気でプレゼン資料を作成してくれ、どの内容も素晴らしいものでした。

 大学内での共同研究では、3名ずつ3つのグループに分かれ、一細胞観察のための培養実験、各種顕微鏡実験、カーボンナノチューブと生体分子を用いたナノ構造体の作製を順次交代しながら行いました。実験を行ってみると、学生たちのなかには、より応用的な部分に興味を持つ人もあることがわかり、ほかの研究グループが発表しているものも含め、論文資料を紹介する試みを、これも3グループに分かれて行いました。この論文資料についての試みは当初予定していなかったもので、実験をやってみて、論文にも興味をもったということになります。

 ミニ研究発表会でもですが、今回の招へいでは、やってみて新たな提案が生まれることが見受けられました。また、採集した微生物を持ち帰って培養を始めましたが、培養は時間がかかりますので、これは来年に続きます。なお、昨年採集した細胞を用いた実験については、そろそろ研究発表を考える段階に来ています。

 毎年恒例の日本科学未来館やベンチャー企業の見学では、それぞれの専門分野を超えて、ロボットやバーチャルリアリティーの技術に興味を持つ人が多くいました。ベンチャー企業は外国人の社員を多く雇用していることもあり、英語と中国語で技術内容の説明をしていただきました。

 東京理科大学のオープンキャンパスでは、研究室公開が多く行われており、効率よくいろいろな分野の研究例を見てもらうことができました。被招へい者のなかには、少し違う分野の研究室に留学したい、という感想もありました。

 海岸での微生物採集実験では、台風の影響で波が高く、安全を考え採集場所を急きょ変更するハプニングもありました。宿泊先の経営者が地元の海岸について詳しく、採集に適した場所を教えていただき、他大学の研究者もそこで採集していることがわかりました。次年度は初めからそちらでの採集を企画することになるかもしれません。

 留学説明会では、被招へい者のほとんどが修士課程の大学院生であることから、博士後期課程での留学、博士号取得後の留学に分けてさまざまな募集を紹介し、特に費用など金銭的な部分について具体的に説明しました。

 3か国からの招へいのため、空港の送迎に時間と人員もかかり大変ではありましたが、本学学生、被招へい学生にとって、昨年、一昨年より付加価値の高いものになったと考えています。10日間という限られた滞在でしたが、帰国後に学生から届いたメールの中には、博士課程で日本に留学したい、とのコメントも見られました。今回の経験を踏まえ、次年度はさらにいいものにしたいと思っております。

 このような機会をいただきましたことに感謝いたします。


微生物採集の様子

熱心に実験に取り組む学生たち


日本科学未来館の見学

外国人社員も多いベンチャー企業の訪問

活動報告