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活動報告(公募計画コース) 第16号

小型冷凍機を作って、極低温の世界を体験!

高エネルギー加速器研究機構からの報告

概要

 2016年7月30日~8月7日の日程で、タイの大学生と大学院生と秋田高専学生が来日し、「小型冷凍機を作って極低温の世界に親しむ」をテーマに科学技術研修プログラムが実施されました。秋田高専生4名も本プログラムに参加することでタイ-日本の学生間の交流も図られました。


来日初日の集合写真。
これから始まる体験に顔が微笑みます。

主旨

 本プログラムの主旨は、タイの若い学生世代が、世界に誇る日本の技術である極低温冷凍機の製作や、冷凍機の基本動作と熱力学の実際を学び、さらに製作した冷凍機を運転することによって「冷えるとはどういうことなのか」を実際に体験して貰うことにありました。
 極低温が「冷蔵庫や冷凍設備などで実現できる(およそ-20℃)よりも遙かに低い温度を取り扱うこと」そしてそれは、タイの学生達にとって経験したこともない温度領域であり、その実現は彼らにとってのチャレンジでもあります。加えて日本の秋田高専学生がこのプログラムに参加することによりタイ-日本学生による共同作業と10日間にも亘る共同生活を通じて相互の理解と将来の「ひとーひと」交流に発展することが期待されました。

体験交流

 7月30日のオリエンテーションと7月31日のJ-PARC設備見学会の日程を経て8月1日から5日間の小型冷凍機製作体験講習が始まりました。
 講習の初日は、我が国の第一線級の小型冷凍機研究の講師陣の講義で始まりました。初日は終日座学が続いたのにも関わらず、メモを熱心に取りながら聴講する姿が印象的でした。


小型冷凍機研究の講師陣により冷凍機の原理から始まる講義が続きます。

 講習二日目の午後から、2班のタイ-日混合チームに分かれての製作実習が始まりました。最初はお互いに戸惑いながらも時間が経過するにつれて実習が滑らかに進むようになりました。これ以降、言葉の壁を乗り越えた共同作業が4日間に亘って続けられました。


冷凍機製作のため、蓄冷材の準備です。
タイ-日学生の初めての共同作業が始まりました。


冷凍機の熱音響モデルを使った実験実習。
蓄冷材を取り替えて冷却温度の違いを実感しました。

冷凍機の実験中、講師を囲んで冷凍機の動作や
データについて議論が進められました。

 製作した冷凍機は目標の77 Kを大幅に下回る52 Kを記録することができました。さらに講習最終日には、冷凍機の特性を紹介する共同プレゼンテーションを英語で行うまでになりました。また、タイ-日学生間でプレゼンテーションの準備とディスカッションが前日の深夜まで自主的に続けられたことも特筆されます。


パソコンを前に最終日に向けたプレゼンの準備。
結果に思わず笑顔がこぼれます。

冷凍機製作実習最終日のプレゼン。
前日の遅くまで纏めた資料を英語で初めて発表しました。

まとめ

 タイの若い学生世代に極低温の世界に親しんで貰い、同時にタイと日本の学生間の共同作業を通じた科学技術研修と相互交流が成功した、と同時に、手を動かしつつ冷凍機の仕組みを学べるという点で、タイ-日両国の未来を担う学生達のモチベーション向上に繋がったようです。


最終日に行われたJAXAつくばの見学ツアー。
技術研修の緊張も解けたようです。

活動報告