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活動報告(公募計画コース) 第268号

モンゴルの大学における情報通信技術を利用した教育の高度化をめざして
熊本大学大学院自然科学研究科情報電気電子工学専攻 教授
宇佐川毅さんからの報告

 1月12日~1月16日の日程で、モンゴル科学技術大学の教員4名と、モンゴル国立大学の教員1名、大学院生2名、グルバン・エルデーン大学の教員1名、学生2名をお迎えして、さくらサイエンスプランにより交流プログラムを実施しました。

福岡国際空港国際ターミナル到着時集合写真
福岡国際空港国際ターミナル到着時集合写真

 本プログラムは、モンゴル科学技術大学・モンゴル国立大学・グルバン・エルデーン大学において、情報通信技術を利用して教育の高度化を推進するための方策についての協議し、具体的な共同研究に展開するための基盤を構築することを目的としました。

 まず、参加大学の若手教員および学部学生・大学院生を対象に、熊本大学の大学院教授システム専攻や工学部・大学院自然科学研究科で蓄積したe-Learning を活用した教育のノウハウや、共同研究として実施してきたモンゴル(グルバン・エルデーン大学)、インドネシア(スラバヤ工科大学、サムラトランギ大学)、フィージー(南太平洋大学)の実例を教授した上で、参加3大学でのe-Learningの活用による大学教育の高度化の方策について協議しました。

熊本大学および大学院自然科学研究科の紹介と関係者顔合わせ
熊本大学および大学院自然科学研究科の紹介と関係者顔合わせ

 熊本大学は、2006年に開設した熊本大学教授システム学専攻での実践や、熊本大学情報環構想のもとに2004年に運用を開始した全学e-Learningシステムの運用実績があり、それを踏まえたプログラムとなっている点が特徴でした。

 招聘期間の前半は、熊本城を含めた市内の散策により日本の現状と伝統文化に最初に接しました。その後、熊本大学において熊本大学情報ネットワーク環境の運用状況についての説明やe-Learning 推進機構・総合情報統括センター等の施設見学を行った上で、学内の典型的なe-Learningを活用した科目等の実例について、具体的な教材を活用して詳細を説明を実施しました。

 後半は、途上国における実例の紹介ののち、簡単な教材構築と参加者による相互評価を行いました。送り出しに際しては,事前に3大学を訪問し詳細な打ち合わせを行っており,スムーズな派遣・受け入れ態勢が構築できていた点にも特徴がありました。

 本プログラムの送出し機関であるモンゴル国立大学情報通信学部・モンゴル科学技術大学は、同国の理工系トップ大学であり、卒業生は同国の科学技術を支える中核的人材となっています。一方、グルバン・エルデーン大学は、小規模な私立教育系単科大学ですが、早期よりe-Learningの導入をすすめていて、教育工学の視点からは、モンゴルでもっとも先進的な取り組みを行っている大学の1つといえます。

 情報通信技術を利用した教育は、日本の優れた情報技術とこれまで培ってきた高等教育を融合したもので、研究中心教育(LBE: Lab-based Education または RBE : Research-based Education)という名称で日本の工学教育手法を途上国への展開は、インドネシア・ベトナム等のJICA事業でも高い評価を受けていました。

熊本大学五高記念館見学時の記念写真
熊本大学五高記念館見学時の記念写真

 この工学教育手法は、日本の優れた科学技術の基盤を形成してきたものであり、この教育手法をパッケージ化し、モンゴルの主要大学で展開することは、同国における科学技術の発展に資するのみならず、両国の友好関係にも大きく貢献するものと確信しています。

 本プログラムを実施するにあたり、ご協力いただいた本学の教員、事務職員の皆様ならびにプログラムの成功に多大な貢献をしていただいた本学の大学院生に感謝いたします。また、多大なご支援をいただきました科学技術振興機構のさくらサイエンスプランに深く感謝いたします。

修了証書授与後の集合写真
修了証書授与後の集合写真

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