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活動報告(公募計画コース) 第218号

マレーシアの学生が名工大でナノ材料の合成と評価を学ぶ
名古屋工業大学工学研究科からの報告

名古屋工業大学工学研究科

 さくらサイエンスプランにより、2016年1月10日~20日の間、マレーシア工科大学(UTM)から、教員1名、大学院生10名が来日し、名古屋工業大学(以下、名工大と略記)工学研究科において、大結晶粒から成る高品質グラフェン膜の化学気相合成(CVD)などのナノ材料の合成と評価に関する研修を行いました。

 今回のUTM引率教員は、名工大を卒業後、博士前後期課程に進学、修了後はポスドクも行っていて、本学とは強い絆を有します。従って、今回の研修も非常にスムースに行われました。来日学生は、成績、成果に基づく競争的選抜方法で選抜されており、また、すでに国際誌への学術論文の出版経験を有する学生もおり、向学心の高い学生達でした。

 今回の交流の目的は、名工大の有する優れたナノ材料合成技術と欧米でも高い評価を得ているUTMのメンブレン技術の融合により、アジアでのナノ材料実用化拠点形成に向けての起点とすることでした。そこで、名工大でのナノ材料開発、とりわけグラフェンを始めとする2次元材料開発、および、有機金属化合物からの機能性セラミックスの合成研究の最前線についての研究概要の説明、ナノ材料開発関係の諸研究室の見学、全学共通の機器分析センターの役割を担っている大型設備基盤センターの見学、および、小グループに分かれて、グラフェンの合成と評価、セラミックス製ガス分離膜の合成と評価等について詳細を研修しました。

活動の様子1

 グラフェンの合成と評価では、名工大が得意とする、固体炭素源を用いたグラフェンのCVD合成を学ぶと共に、ナノ材料の走査電子顕微鏡(SEM)観察、透過電子顕微鏡(TEM)観察を実習した。SEM観察ではUTM学生が自ら観察を行いました。

 セラミックス製ガス分離膜の合成と評価では、膜試料の調整から、膜表面の化学構造解析(FT-IRスペクトル)、極微細多孔質構造解析(ガス吸着法:BET)、形状解析(AFM)、およびガス透過特性評価(加圧法)までの一連の研究開発手法を実習しました。

活動の様子2
活動の様子3

 また、これらの研究成果の締めくくりとして、各研究生が研修の成果発表を行う成果報告会を名工大学生の参加者も交えて実施し、研修の成果を総括しました。報告会では、各研修生に修了証書とさくらサイエンスプランバッジが授与されました。

 また、タイトな研修スケジュールの合間を縫って、日本科学未来館の見学も実施しました。招へい者からは、「科学の発展とともにロボット技術が飛躍的に進歩することが実感できた」「日本のモノづくりは高い精度が特長であり、例えば館内に建造された大きな地球形のモニターは、完成度も非常に高く強く印象に残った」「真空に関する技術やロケット技術等、宇宙開発技術を身近に感じられる展示もあり興味深かった」という感想を伺いました。

活動の様子4

 本研修は短期間でしたが、学術的なナノ材料開発から、日本の科学技術・文化の一端にも触れることができ、大変有意義でした。実習でサンプルの取扱いに関する新しい知見を得ることができたという感想や、今後研究者としての再来日を強く希望するという声が多かったことからも、その充実した様子がうかがえるものでした。なお、3月初旬に、本プログラムのフォローアップも兼ねて名工大教員がUTMを訪れ、今後の共同研究、競争的資金への応募についての議論を行っています。

 最後に,このような貴重な機会を与えていただいた科学技術振興機構に心よりお礼を申し上げます。

活動の様子5
活動の様子6

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