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活動報告(公募計画コース) 第201号

蘇州大学の学生が災害からの復興について学んだ1週間
北陸学院大学からの報告

北陸学院大学

 10月16日~22日の1週間、中国・蘇州大学の学生および教員9名をさくらサイエンスプランにより招聘し、プログラム期間中、一行はわが国の自然災害に対応した最新の地域実践等を社会科学的な視点から学びました。

 10月16日、17日は北陸学院大学三小牛キャンパスおよび金沢学生のまち市民交流館において、自然災害に対する北陸学院大学の取り組み、2007年に発生した能登半島地震の課題と復興の現状について、災害社会学を専門とする北陸学院大学田中純一北陸学院大学准教授による解説を聞きました。


長田地区復興過程の課題についての聞き取り(NPO法人まち・コミュニケーション事務所にて)


東日本大震災における社会福祉協議会の対応についての聞き取り(於陸前高田市コミュニティホール)

 10月18日は能登半島地震の被災地である輪島市を訪れ、赤坂佳子元社会福祉協議会職員、及び徳山忠志氏元民生委員より震災発生直後の要援護者避難対応および震災から10年が経過した集落コミュニティの現状についてお話を伺いました。


能登半島地震の被災住民対応についての研修(於 輪島市諸岡公民館)

 10月19日は神戸に移動し、宮定章特定非営利活動法人まち・コミュニケーション代表より阪神淡路大震災の概要説明及び20年の復興まちづくりにおける諸課題等について、街中を踏査しながらご説明いただきました。さらに、「人と防災未来センター」を見学し、阪神淡路大震災の被害の実相、大規模災害に向けた備えについてハード・ソフトの両面から学びました。


神戸市・東遊園地にて

人と防災未来センターでの研修

 10月20日は岩手県陸前高田市にて、大震災以降継続的に当該地を訪れ調査を続けている田中淳教授の案内で、市内の被災状況、復興の現状について説明がありました。その後、陸前高田市庁舎に移動し、復興対策局主事小玉大介氏より津波災害からの復興に向けた自治体の施策について多用な観点から説明をいただきました。


過去の津波の教訓が刻まれた石碑(於 陸前高田市広田町)


陸前高田市の復興計画についての説明(於陸前高田市役所)

 また午後には下矢作仮設住宅集会場を訪問し、入居者の方と交流しつつ、仮設住宅の暮らしや今後の生活復興の見通しなどについて話を伺いました。入居者を励まそうと、蘇州大学の学生が中国の歌を披露する場面もあり、短時間ではありましたが思い出に残る交流時間となりました。


住民との意見交換(於陸前高田市下矢作仮設住宅集会場)

 10月21日は菅野直人陸前高田市社会福祉協議会事務局長より、災害発生直後から現在に至る災害時要援護者支援について説明をいただきました。

 今回のプログラムでは大規模災害への対応および大災害からの教訓について、過疎高齢化が進展する地方都市での災害、神戸のような大都市における災害対応という2つの視点から学ぶ機会となりました。蘇州市では自然災害がほとんど発生しないことから、優れた防災技術、社会安全システムが構築の蓄積がわが国に有することを、蘇州大学の学生たちは知ることとなりました。

 同時にひとたび災害が発生すれば、復旧・復興過程において被害の階層格差が生じることから、法制等の拡充が不可欠であること、災害が起こってからの対応以上に、事前の備えが重要であることについても理解できたようです。

 参加学生の防災・減災システムへの関心は高く、訪問する先々で熱心に質問していたのが印象的でした。中には将来的に日本に留学し学びを深めたいという趣旨のコメントをした学生が数名おり、今回のプログラム参加が契機となり留学が現実のものとなれば嬉しい限りです。また、今回の交流を通じ、北陸学院大学と蘇州大学とのあいだの交流事業や共同研究等の可能性についても話題が挙がりました。次なる展開が期待されるところです。

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