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活動報告(公募計画コース) 第182号

プレート衝突帯深部での水の役割〜国際的自然災害研究・教育ネットワーク形成に向けた基礎作り
金沢大学理工学域自然システム学系地球コースからの報告

金沢大学

 インド・カルカッタ大学から、プレート衝突で形成されたヒマラヤを調査対象にしている学生などを含む6名の大学院生を招聘し、2015年10月28日から11月12日の日程で、さくらサイエンスプランによるプログラムを実施しました。

 今回のプログラムは、プレートの衝突帯に関連する水の役割をキーワードに、プレートの衝突帯で起きるさまざまな自然災害を理解し、それらを教育できるネットワーク形成拠点を作ることを目標として行われました。

 来日してまず、彼らがこの企画でどのような表情に変わっていくのかを確認するのが楽しみで、最初の記念撮影を行いました。そして、研究室の学生や、エジプト、フィリピンからの学生も含めて、インド料理屋で歓迎会を行いました。


インド料理店で歓迎会

 翌日から研究に関する打ち合わせを行いました。本学の地球コース教員の専門範囲は広い。そこで、本人たちの専門と興味ある分野を受け入れ研究者が聞き、個人面談形式で議論をおこないました。例えば、プレート衝突帯を研究している学生には、簡単な材料を使って地球現象を模擬実験している研究者との議論を行ってもらいました。


研究者との議論の様子

 また、実際に彼らの試料を持ち込み、本学の分析装置を使い、光学顕微鏡観察、電子顕微鏡を用いた化学分析を行い、既存の岩石中に記録される水の役割を解読する方法などについて体験してもらいました。分析補助として、本研究室学生もサポートにあたりました。


光学顕微鏡を使っての観察

電子顕微鏡分析

 さらに、野外現場教育も行いました。水際での火山活動の記録が生々しく残る能登半島において、その露頭や断層に関する露頭について現場で議論を行いました。彼らは、火山岩に関する調査を行う経験が少ないらしく、貴重な調査時間となりました。


能登半島・火山岩の断層見学

 福井恐竜博物館への見学を最終地点として、その途中で石川県の地質学的成り立ちを知るための絶好の場所で現場教育、議論を行いました。例えば、恐竜化石が産出することで有名な手取層中の基底れき岩を観察すると、未固結のれき層かられき岩になる際の続生作用による現象が良く観察される場所があります。福井恐竜博物館では、地元で採取された恐竜を中心とする化石標本に加え、北陸の地質やその他の興味深い資料が展示されています。


福井県立恐竜博物館にて


手取層れき岩

 彼らの滞在期間中に、ちょうど金沢大学地球学教室同窓会が開催された。そのため、石川門の成り立ちに関する巡検に参加する機会を得ました。ここでは、島弧火山岩である戸室安山岩が城壁に使われていることから、岩石の利用という視点で興味深い経験ができました。また、彼らにとっては、めずらしくプレート沈み込み帯で普遍的な安山岩を見学することにもなり、火山岩の形成について水の役割について議論することができました。


金沢城石川門前にて

 これらの経験を生かし、インド・日本の学生交流も行われ、貴重な研究拠点のきっかけ作りとなりました。参加学生にとっても同じ思いを共有してくれていると信じています。


ゲストハウスにて

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