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活動報告(公募計画コース) 第154号

ミャンマーの大学教員が日本の先端的海洋科学技術に触れる
海洋研究開発機構(海洋機構:JAMSTEC)からの報告

海洋研究開発機構

 海洋研究開発機構(以下、海洋機構)では、ミャンマーの大学教員10名を招へいし、2015年11月6日~15日の日程で、研究技術交流のプログラムを実施しました。

 今回のプログラム実施に先立つ2015年8月14日に、海洋機構がミャンマー科学技術省研究イノベーション局と海洋地球科学分野における協力に関する文書を締結し、ミャンマーの大学・研究機関との研究協力の取り組みを推進することを表明することが公表されました。本プログラムも、この協力活動の一つに位置づけられます。

 ミャンマーはその国土が複雑な地質構造の上にあるという背景に持ち、これまでは大規模な調査が行われてこなかったために、地球科学の分野では非常に興味深い地域であると言われています。また、ミャンマーでは現在、災害被害の軽減を対象に含む海洋地球科学研究所の設立が検討されており、研究所の設立を視野に入れたミャンマーの大学における地球科学教育に関する議論も、今回のプログラムにおける主題の一つとなりました。

 今回のプログラムには、ダゴン大学とモーラミャイン大学からそれぞれ5名の教員が参加し、ミャンマーにおける海洋地球科学教育に関する議論のほか、生物地球化学、地震研究、海洋資源研究、海洋掘削科学、掘削技術、海洋工学の講義を実施しました。海洋機構では、同時期にインドネシアとの交流プログラムも実施しており、テーマが重なる地震研究については、2つのプログラム合同で講義を行いました。


掘削科学に関する授業でのひとこま

 海洋地球科学には分野横断的な性質があり、様々な機器を使って試料やデータを集め分析や解析を行います。プログラムの初日と2日目には、このような科学を支えている海洋機構の調査船や探査機、研究施設の見学を実施しました。


無人探査機の説明を受ける招へい者(横須賀本部見学)

海洋調査船「なつしま」を前にグループ写真(横須賀本部見学)


ポスターの説明を受ける招へい者(横浜研究所見学)

 講義スケジュールの半ばに当たる6日目は、海洋機構のキャンパスを出て、新江ノ島水族館(午前)と日本科学未来館(午後)の見学を行いました。当初は、午前中にドック整備中の地球深部探査船「ちきゅう」の見学を予定していましたが急遽予定が変更となり、海洋機構が以前運用していた「しんかい2000」を展示しているなど、海洋機構とも関係の深い新江ノ島水族館を訪問することとなりました。ペンギンの展示やイルカショーも楽しみ、講義が連続する交流プログラムの中で良いリフレッシュの一日となりました。


講義(地震研究・インドネシアプログラム合同セッション)での質疑応答(講師・川口勝義)

新江ノ島水族館で、湘南の海をバックにハイ、チーズ。(新江ノ島水族館訪問)


日本科学未来館前にて

実施担当者との議論でのひとこま

 プログラムの最後には各自の研究活動の経験から、この分野における今後の日本・ミャンマーの研究協力について議論を行いました。海洋機構では組織としての取り組みについてトップダウンの方向性を持つことになりましたが、実際の協力は、個々の研究者をつなぐという「お互いの顔が見える」レベルでの地道な活動(ボトムアップ)によって支えられます。

 本プログラムを通じて、実際にミャンマーの大学教員の方々を日本へ招へいして「顔の見える」交流を実施することができました。プログラム実施後の参加者アンケートには「継続的な実施への期待」が記されており、また、受入機関として今後も継続して同様のプログラムを実施する機会が得られることを希望しています。


修了証を手にグループ写真

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