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活動報告(公募計画コース) 第126号

ラオス・インドネシアの学生が、東日本大震災の復興支援から日本の建築技術を学ぶ
立命館大学からの報告

立命館大学

 立命館大学では9月1日~20日の20日間、ラオス国立大学より学生7名と教員1名、およびインドネシア・イスラム大学より学生3名と教員1名の計12名を招聘しました。

 今回の交流の目的は、関西や関東での最先端建築技術や伝統的な木造建築に関する知識の習得はもちろん、本学理工学部の宗本研究室が岩手県宮古市の復興地で取り組む「道の駅・産地直売所」建設に、約2週間にわたり、日本人学生らと共に取り組むことを通じて、言語や文化の壁を越えて協力しあいながら、実践的に日本の建築技術を学ぶことです。

 同研究室は、東日本大震災の直後から復興支援活動を行っており、2011年11月に宮古市重茂地区にて住民の交流の場となる簡易集会所「ODENSE1号(おでんせ=岩手の言葉で「いらっしゃい」を意味する)」を建設、その後2012年9月にも同市鍬ヶ崎地区に「ODENSE2号」を建設しました。今回、津波で甚大な被害を受けた同市田老地区に新たに開設する道の駅内に、産地直売所として利用するODENSE3号を建設することが決まり、さくらサイエンスプランの支援を受け、ラオスとインドネシアの学生らの招聘が実現しました。

ODENSEの構造について

 サッカーボールを半分に切ったような形状のドーム型の建築。空間の広さ・強度を確保し、コミュニティの中心としてすぐに覚えてもらえるユニークさも備えています。セルフビルドが可能で、建築材料はホームセンターで購入可能な木材や合板などの汎用品を基本に、窓も重量のあるガラスではなく丈夫なフィルムを使用しています。

 9月1日(火)に来日した参加者らは、最初の4日間を関西で過ごしました。立命館大学びわこくさつキャンパスでは、ODENSE3号で使用するパネル作りのワークショップに参加し、建物の構造に関する理解を深めました。また、フィールドワークでは竹中大工道具館(神戸市)及び大和ハウス総合技術研究所(奈良市)訪問、そして清水寺(京都市)などの歴史的建造物の見学などを行いました。参加者らにとって、日本の伝統的な技術と最先端の技術を学ぶ貴重な経験となりました。


パネル作りワークショップの様子

竹中大工道具館にて

 9月5日(土)~6日(日)にかけては、東海大学湘南キャンパスで行われていた日本建築学会大会(関東)に参加した後、東京の建築ツアー及び日本科学未来館の見学を行いました。建築ツアーでは東京駅丸の内駅舎、東京国際フォーラム、銀座、および六本木ヒルズを訪れ、参加者らは様々な建築に大変刺激を受けていました。


東京建築ツアーのスタート地点、東京駅丸の内駅舎前にて

 9月7日(月)から、岩手県宮古市田老地区にて本格的な建設作業に取り掛かりました。最初の1週間は天候に恵まれず、足元が悪い中での作業も多かったものの、地元の大工さんや宗本研究室の学生らと作業内容を確認しながら作業を進め、9月12日(土)に上棟を祝う式を行うことができました。式には、田老地区到着初日に盛大に歓迎会を開いてくださった産地直売所の関係者など地元の方々も参加し、お餅やお菓子を撒いてお祝いしました。


上棟を祝う式での集合写真

 宮古市滞在中には、雨で作業ができない時間も利用し、東日本大震災の被害状況や教訓を学ぶ機会も設けました。9月11日(金)には、宮古市田老地区の津波被害を学ぶ「学ぶ防災」に参加し、12日(土)の午前中には宮古工業高校を訪問し、生徒による発表や津波模型班による津波のシミュレーションを見学しました。日本と同じく地震・津波の被害を経験しているインドネシアからの参加者にとっては、特に心に残る学びとなったようです。


宮古工業高校の津波模型班実演の様子

 9月13日(日)からは、本学の災害復興後方支援スタッフ派遣便のメンバーも加わり、総勢30名を超える体制で一気に作業を進めました。また、同日夜にはODENSEの構造設計を担当した大阪産業大学の萬田隆教授を招き、構造とデザインの可能性についての講義を受けました。参加者らは日中の作業で疲れているにも関わらず、熱心に講義に耳を傾けていました。


完成したODENSE3号の前で

 その後作業は順調に進み、9月18日(金)にほぼ全ての作業を終了し、宮古市長の山本正徳氏より、参加者全員に感謝状が贈られました。また、夜には地元の方々との交流会が催され、地元産の新鮮な食材を使った料理が振舞われたほか、各国の踊りや歌を披露して交流を楽しみました。参加者らは作業を通じて得た学びや、日本人学生との共同生活から得た発見、そして地元の方々の温かな支援への感謝を強く心に刻み、翌日宮古市を去り、東京経由で帰路に着きました。


現場での作業の様子

現場での作業の様子


現場での作業の様子

交流会での集合写真

参加者からのコメント抜粋

- I learnt how the design will be created into the real form, the real building. How we solve problems in the construction, this is a new experience for me. I will never forget it.

- The most thing that I learnt from this program is passion.

- So much things learnt here. Most is about how people work, how kind they are and how they appreciate others. I'm really impressed with the local people. Their spirits to support youth is highly respected.

- The most I've learnt from this program is the technique of wood construction of Japan, especially the traditional way of working with wood. The Japanese workers and people have a wonderful discipline and a high responsibility of their duties. The architectural design in Japan is made by consideration of solving problems for people. As it can be seen in the innovations in many fields Japanese have done.

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