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活動報告(公募計画コース) 第58号

膜ろ過技術の現場や最新環境技術を研修
インドネシアの学生10名が日本で環境技術を学ぶ(その2)
中央大学理工学部からの報告

中央大学理工学部

 4日目、静岡県富士市にある旭化成株式会社 富士支社(静岡県富士市)を訪問しました。あいにくの悪天候でしたが、富士市に向かう途中、雲が一瞬切れて、山梨側からの富士山を望むことが出来ました。


富士山をバックに記念撮影

富岳風穴にて

 旭化成では最初に旭化成ケミカルズ株式会社の膜・水処理事業部を訪ねました。旭化成ケミカルズの前田様より分離膜の種類や、途上国で膜を使った水処理の適用事例等を説明していただきました。前田様はインドネシアでの駐在経験が5年あるとのことで、説明ではインドネシア語でのジョークを交えながら、わかりやすく説明していただきました。


旭化成ケミカルズ株式会社「膜・水処理事業部」を訪問

 膜の説明の後に、膜を作る施設(製膜施設)とろ過試験を行う施設(ろ過施設)を訪問しました。製膜施設では実際に中空糸膜を作っているところを見学することができました。インドネシアの学生や中大生は初めて見る製膜施設に興味津々で、多くの質問を投げかけていました。また、膜ろ過施設では、実際に浄水場で使用されている膜モジュールが展示されており、その大きさに驚くと共に、膜から出てくる綺麗な水に強い関心を寄せていました。

 続いて、旭化成株式会社の基板技術研究所を訪問しました。基板技術研究所は、社内外から依頼されたサンプルの分析や解析を専門とする部署です。たくさんの高価な分析装置が並べられており、教科書でしか見たことがないような貴重な分析装置も見学することができました。研究所の方からは、分析装置の原理についても詳しく説明していただき、いつ、どのような分析装置を使えばよいのか、たくさんのアドバイスをいただきました。


旭化成株式会社 基板技術研究所を訪問

 旭化成では実際の物作りを体感し、その根源にある基礎技術(研究)の重要さを理解しました。また、両大学の学生たちは終日、行動を共にすることで、お互いを良く知るようになり親密さが増したようでした。

 5日目、午前は中央大学研究開発機構・渡辺義公教授より、水処理における「Techno-Diversity」に関する講義がありました。これまで学習してきた水処理技術について、膜処理だけではなく、都市の発展に応じてローテクとハイテクを組み合わせて臨機応変に技術を導入することの重要性に関する講義でした。これまでの活性汚泥法や凝集沈殿法に代わるインドネシアに密着した水処理技術の重要性が説かれ、そのような技術を今後、我々が開発していく必要性を学びました。


渡辺教授による"Techno-Diversity"に関する講義

 午後からは、茨城県つくば市にある土木研究所を訪問しました。土木研究所は下水処理や洪水管理に関して先端的な研究を行っている国の研究機関です。土木研究所の對馬様に研究交流会を企画していただき、土木研究所が現在取り組んでいる課題について説明いただきました。下水処理場から放出される温暖化ガスや洪水管理方法等について意見交換しました。国土技術政策総合研究所の研究者にも参加していただきました。バンドン工科大学のHerto先生からも「インドネシアの環境問題の現状」というタイトルで、インドネシアの状況を説明いただきました。


土木研究所を訪問しました。

 6日目の午前中は、理工学部の山田正教授より、中央大学が推進している「国際水環境理工学人材育成プログラム」についての説明がありました。中央大学ではアジア諸国より修士課程の学生を受け入れ、水管理に係わる高度な人材育成プログラムを展開しています。昨年度まで東南アジアの国の学生も参加しており、今後はインドネシアの学生にもプログラムを展開することを視野に入れています。これまでに行ったプログラムの内容をインドネシアの学生に紹介すると共に、本学に在学中の留学生からプログラムの体験談が披露されました。


途中で立ち寄ったケバブの店でのランチタイム


山田教授による国際水環境工学人材育成プログラムの紹介

 午後は日本人学生とインドネシア人学生との共同作業を開始しました。開始にあたって、理工学部 山村寛准教授と学生全員で、今回のさくらサイエンスプランの目標について再確認しました。


山村准教授と、今回のさくらサイエンスプランの目標について再確認しました。

 共同作業では、「インドネシア バンドン地区の水環境を改善するための取り組みを提案」という課題で、3つのチームに分かれてそれぞれ「上水道」「下水道」「水環境の保全」をテーマに取り組みました。今回の共同作業でのルールは(1)必ず全員が発表に参加すること(2)具体的な数字を出すこと(3)10年、20年後、30年後について短期・長期的視野から提案すること、を掲げました。英語が苦手な学生もバンドン地区の現状について積極的にインドネシアの学生に質問しながら、日本とは異なるインドネシアの環境について理解を深めているようでした。また、インドネシアの学生も、今回日本で学習した内容を基に、既存の考えにとらわれずに、新しいアイデアを積極的に提案しているように見えました。午後だけでは終わらずに、ホテルに帰って深夜まで作業したグループもあるようです….。


共同作業の様子

活動報告