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活動報告(公募計画コース) 第19号

溶接・接合、材料科学に関する共同研究目的でインド・マレーシア・フィリピン・ベトナムから9名を招聘

大阪大学接合科学研究所

当研究所では7月12日~8月1日の日程で、インド工科大学ハイデラバード校より5名、マラヤ大学より2名、デ・ラ・サール大学より1名、ハノイ工科大学より1名、合計9名の参加者を招聘しました。


接合科学研究所の入口にて。

大阪大学の附置研究所である当研究所は、溶接・接合の学問を追求する上で必要不可欠なプロセス、材料、設計・評価の3つの研究部門と接合科学の未来を探る1つのセンターにより構築されており、日本で唯一の溶接・接合科学に特化した研究所です。

今回連携した送り出し機関とは、当研究所がこれまでにもワークショップ開催、国際共同研究の実施、学生の交流などで連携を深めており、円滑な調整のもと、実施に至りました。

当初、当プランへの参加希望を各連携機関に照会した所、多くの参加希望がありました。しかし、限られた期間で効果的な成果を上げるには参加者の希望する研究課題と当研究所の研究分野が十分に一致し、適切な指導が行えることが大前提であるため、綿密な調整の結果、最終的に9名の受け入れとなりました。

受け入れが確定した9名はそれぞれ、「磁器パルス溶接による同材、異材接合の特性評価」、「熱可塑性および熱可塑性ナノコンポジットの誘導支援摩擦攪拌接合」、「微細構造における無欠陥、無影響の製造技術」、「多孔質アルミニウムの製造上の処理パラメータの影響」、「振動アシスト溶接における残留応力のモデリング」、「ガスメタルアーク溶接(GMAW)におけるアーク安定性の解析」、「超音波集積レーザはんだ付け機器の設計と開発」、「三元Sn-1.0Ag-0.5Cuの腐食研究(SAC105)と液体媒体中の鉛フリーはんだ合金」の研究に取り組みました。


実験準備の様子

研究に取り組む様子。

各研究室では指導教官が研究指導を行うと共に、各学生に対して教員・研究員あるいは学生が概ねつききりで機材の利用法をはじめ、分析方法などについて指導、支援を行いました。また滞在中、企業訪問も実施しました。訪問企業は日立造船株式会社で、本社にて企業紹介を受けた後は、大阪舞洲にある日立造船の技術により実現した、日本で最初の発電型ゴミ焼却場を見学、更に堺市にあるシールド・トンネル掘削機の製造工場も見学しました。参加者は、日本における高度なゴミ処理法に大きな驚きを持ったようでした。また、トンネル掘削機については製造工程から利用に関する様々な質問が交わされ、自ら目にした技術が世界各地のトンネルや下水道建設に活用されている状況に深く興味を抱いていました。


日立造船前にて

日立造船工場を見学


受入れ研究室にて、教員、学生とともに。

日本の滞在では特にインドからの参加者について食習慣の違い、コミュニケーションの難しさ(言語面)などで最初は戸惑いも多かったようですが、幸いインド系の食事を提供する施設が付近にあったことから大きな困難には至らず過ごすことができました。また、受け入れ研究室の教員、学生が親身になって滞在中のケアを行なったことで、精神的にも安定した時間を送れたようです。

当研究所では、これまでにも多くの外国人研究者を短期・長期で受け入れていることから、所内教員、若手研究者、及び学生は異文化からの来訪者にどのような情報を提供し、どう支援すれば良いかを十分に把握しており、「異文化間力」が蓄積されてきたことが今回の受け入れにおいても非常に役立ちました。さくらサイエンスプランでの受け入れは、「異文化間力」の更なる強化に非常に効果的な活動となっています。

参加者からは、「人々のホスピタリティがいたるところで感じられ、安心して過ごせた」「時間通りに動く公共交通機関がこんなに便利であるということを初めて知り、感激した」「あらゆるものが自動化されている技術に驚いた」など滞在全般に対するコメントがありました。

一方、研究活動についても「各自が厳格に研究に取り組んでおり、その姿勢が刺激になった」「様々な最新機器を自由に利用できる環境は夢のようだった」「指導教員のきめ細やかな指導は今後の考察に大きく役立った」「研究時間に限りがあったので、もっと余裕を持って取り組めるよう、再度訪問の機会を探りたい」などのコメントがありました。

最終報告会では各自20分程度の時間を使って、当研究所で行なった研究成果について発表を行いました。活発な質疑応答や協議が行われ、予定時間を大幅に超える充実した会となりました。約3週間という時間は研究を行うには到底十分な時間とは言えませんが、限られた時間であるからこそ、集中し、結果を出すために各自努力したことが伺えました。


最終報告会の様子①

最終報告会の様子②


プログラム終了後に、接合科学研究所前にて、田中所長とともに記念撮影。

今回の受け入れを今後の活動に有効に繋げていくため、当研究所では参加者本人への継続的なフォローを始め、送り出し機関との具体的な共同研究の協議などを行っています。

活動報告