2014年度 活動レポート 第4号:第1陣(4) 理化学研究所見学

さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第4号

中国の高校生が理研を訪問

独立行政法人科学技術振興機構(JST)

さくらサイエンス・ハイスクールプログラムの中国の高校生は、埼玉県和光市の理化学研究所を見学しました。

理研では、中国人研究者が説明員になり、原子核の構造、超伝導サイクロトロン、加速器、新元素の発見などをわかりやすく解説していただきました。高校生らは核融合の原理など、相当レベルの高い質問をしていました。

写真はいずれも超伝導サイクロトロンのあるRIBF棟の展示会場で。

また、野依良治理事長は歓迎の挨拶を行いました。

野依良治理事長は「科学者となってナンバーワンを目指すのではなく、オンリーワンを目指してください。優秀な皆さんに期待しています」と呼びかけ感銘を与えました。

野依理事長を囲んでの記念撮影は、なごやかな雰囲気で、とてもいい感じでした。

野依良治・理研理事長の挨拶は次の通りです。

まず中国の科学研究のレベルが非常に高くなってきたこと、理研は中国科学院と提携して共同研究をしてきたことなどを紹介しました。

さらに今後は日中双方の発展のためだけでなく、人類の発展のために取り組みたい。自分は長い間化学の研究をしてきたが、最近は競争が激しくなっていることを感じている。「もう少しゆっくりと自然について考える必要があります」と呼びかけました。

さらにオリンピックで金メダルをとることとノーベル賞をとることと違いがあるとし「その違いが分かりますか?」と問いかけました。
「オリンピックは、同じ競技場で同じ条件で競い合って順位を決めます。しかしノーベル賞はナンバー1の人に授与するのではなく、オンリーワンの研究成果を出した人にやるのです」と語りかけました。

そして「研究の目的を決めるのは研究者であり、無限の自然の広がりの中から他人と違うことをやることを考えるべきです」と独創的な考えと目標を掲げるように語りかけました。
「次の世代を目指す皆さんは、是非、オンリーワンを目指してください。そして飽くなき好奇心とたゆまぬ努力が必要です。優秀な皆さんは、地球規模の課題になっているエネルギー問題と気候変動の問題についてその解決策を出してほしい」と期待を語りました。
これからの科学研究は一人の力では限度があり「課題解決には世界中の科学者が連携することも大事です。皆さんが科学者として貢献することを期待しています」と結びました。

野依理事長のスピーチが終わると大きな拍手が響き、高校生たちに感動を与えたように感じました。

午後は、筑波にある遺伝子組み換え実験のための最も危険性の高いP4実験棟を見学しました。

実験マウスの収集、保存、提供などについての講義を受けました。わかりやすい説明であり皆さん納得した顔でした。しかし質疑に入ると、高校生からの多くの質問が出て、まるで質問の"集中攻撃"のようでした。

P4実験棟の見学
遺伝子組み換え講義の受講