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活動報告(公募計画コース) 第98号

タイのサイエンススクール高校生が日本の医療・医学を体験 その2
-日タイのサイエンススクールの交流-

大分大学医学部 内田智久

 日タイのサイエンススクールの交流を目的として、大分県立舞鶴高校を訪問しました。タイの高校生それぞれに舞鶴高校の生徒がパートナーとして付き、一日を過ごします。自己紹介の時は、少し緊張が見られましたが、すぐにうち解けて高校生同士の交流が始まりました。


自己紹介の様子。

 日本、タイともサイエンススクールの生徒さんは自らの科学研究プロジェクトを持っています。研究を通して仮説を立てそれを科学的に実証する方法を学び、研究成果を発表します。
 まず、タイの学生の研究発表を聞きました。研究テーマは「文章(文字列)に関する数学的解析」に関するものでした。専門的な数学の内容も含まれており、短時間で発表を理解するのは簡単ではなかったようですが、舞鶴高校の生徒さんたちも熱心に聞き入って、質疑応答ではいくつかの質問も出ました。タイの高校生の堂々としたプレゼンテーションと英語力には、舞鶴高校の生徒さんたちにもいい刺激になったようでした。
 その後、一緒に授業を受けました。授業の内容を理解するのは難しかったと思いますが(日本語での授業だったため)、同年齢の仲間と一緒に過ごす時間は貴重で喜びに満ちているようでした。


日本の高校生と机を並べて授業を受けました。


お弁当も一緒に食べました。


 午後は、物理と生物の実習を2グループに分かれて行いました。タイの高校生のために英語で教材を作成していただき、板書も英語で準備していただきました。物理では、音叉の振動数を測定することがテーマでしたが、タイの高校生も舞鶴高校の生徒さんたちと一緒にデータをとり計算しました。英語を共通語としながら、紙に数式を書いたりデータに関して議論することで、互いの距離が一気に近づきました。


振動数はきちんと求められたかな?

 舞鶴高校での最後のイベントは、舞鶴高校の生徒さんの研究課題を見て回ります。「煙の広がり方のシミュレーション」「液状化の研究」等の研究を、各教室で見て回り、舞鶴高校の生徒さんたちが英語でプレゼンします。
 的を得た鋭い質問や、ほのぼのとした質問など多くの質問が出て、同じサイエンスを志向する高校生ということもあり、交流の様子はとても楽しそうでした。


舞鶴高校の研究を身を乗り出して聞いています。


熱いディスカッションが始まりました。


 一日の交流日程を終えた後は、写真を撮ったり、Facebookのアカウントを交換したりいつまでも別れを惜しんでいました。


いい交流ができました。

 タイの高校生を気持ちよく受け入れていただいた、舞鶴高校の校長先生をはじめとした先生方並びに関係者の方々に厚く御礼申し上げます。
(追記:この後、数日間 Missing Oita Maizuru HSという声が続きました。アンケートによると、さくらサイエンスプランでもっとも印象深いイベントの一つだったようです。)

 翌16日は日本を代表する製鉄所の一つである新日鉄住金大分製鉄所の工場見学に行きました。コミュニケーションセンターで製鉄所の歴史と、製鉄法についての説明を受けた後、実際に製鉄所の中を見学しました。
 広大な敷地に立つ大分製鉄所は、面積700万m²、従業員数6,000名だそうです。原料から製品ができるまでのプロセスに従って効率的にプラントが並べられています。圧延の工程を実際に見ることができ、オレンジ色に熱された鉄がローラーを通るたびに薄くなって行く様子は、離れた見学場所からも熱気が強烈に肌を刺し、水と鉄の激しいぶつかり合いには、高校生たちも驚嘆している様子でした。
 ロール状になった製品は製鉄所内の岸壁から世界各国に輸出されますが、今日は偶然タイに輸出する船に荷積みを行っているところでした。これに乗ったらタイに帰れるよとの冗談に、日本に長くいたいから乗りたくないとの返事。日本滞在を十分に楽しんでくれているようです。
 午後は大分の大自然を体験してもらう目的で、別府鶴見岳と海地獄に行ってきました。ロープウェイに乗り、15分くらい歩くと鶴見岳山頂です。山頂は10度と肌寒いのですが、元気な高校生たちは寒さをもろともせず元気に写真撮影に熱中しています。
 山頂からは、別府市街と遠くに大分の町並みが望めます。午前中訪問した新日鉄住金大分製鉄所も見えます。タイでは海と山が近接した景色はほとんどなく、大分の美しい自然を堪能していました。

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