2014年度 活動レポート 第81号:宮崎大学・国際連携センター(1)

2014年度活動レポート(一般公募コース)第81号

ベトナム水環境研究所とのヒ素汚染地下水対策に関する技術研修と共同研究 その1

宮崎大学 国際連携センター 伊藤健一

2014年8月1日~9月6日の日程で、ベトナムの農業省水環境研究所(IWE)で、安全・安心な飲料水供給と自然由来のヒ素汚染地下水の処理、水利用に取り組む若手研究者や技術者、行政官らが来日しました。

一行はまず、日本の科学リテラシーや教育、地下水利用の実態やそれを蓄える地質、および国内で最も甚大なヒ素汚染である宮崎県土呂久のヒ素汚染の実態について学ぶため、福岡、熊本、高千穂と視察を行い、その後、宮崎大学において、地下水ヒ素汚染対策や環境対策に関するワークショップと上下水施設の地札、ならびにベトナムの現行技術の改良に向けた共同研究を実施しました。

福岡青少年科学館で水の動きなどを装置などで実体験する児童の科学教育について視察、体験、日本の科学リテラシー教育を感じてもらいました。

福岡青少年科学館。

次に、日本一の地下水都市である熊本市の水の科学館では、地下水利用の実態や土壌中で水が濾過され清浄となる原理の模擬実験、水の適正管理や人々への水利用の理解普及の手法などを視察しました。そして、地下水を育みつつ、地下からヒ素などの重金属類を地表にもたらす火山および地質と鉱物について阿蘇火山博物館で学びました。

熊本市水の科学館。
 
阿蘇火山博物館。

宮崎県高千穂の土呂久鉱山跡では、鉱害被害者の関係者より、土呂久の鉱山とヒ素鉱害の実態、および今なおヒ素が流出する惨状について知ることで、水質汚染対策の重要性と困難さの理解を深めました。

土呂久鉱山跡視察。
 
土呂久鉱山の汚染史を聞く。