さくらサイエンスプランHOME > 活動報告 > 公募計画コース > 第206号

[本文]

活動報告(公募計画コース) 第206号

タイとブルネイの学生が生活習慣病の研修 その2

香川大学

 ①日本における生活習慣病(特に糖尿病や肥満)の実態について、②糖尿病への取り組み、に続いて、③健康食品について勉強した。

3) 健康食品(特に香川大学発の希少糖について)

 糖尿病・肥満対策の取り組みとして、日本で進んでいる機能性食品(特定保健用食品など)については、彼らの要望として勉強したいとの意向があることを、今回の事業の責任者である徳田雅明教授が両国のブルネイ・ダルサラーム大学とチェンマイ大学を事前訪問した際に聞いていたのでプログラムの中で紹介した。

1. 香川大学の研究

 香川大学で実施している主な機能性食品関連研究については、12月19日に香川大学希少糖研究センターを訪問して講義と実習・見学を行った。


希少糖研究センターを訪問

 まず、片山健至農学部教授と田村宏敏農学部教授からは、薬用植物などの植物から有効成分を同定してそれを利活用する取り組みが紹介された。ブルネイ・ダルサラーム国にしてもタイ国にしてもこうした生物資源は多種多様であり、伝統療法的にもハーブなどとして活用されている。それらを科学的な方法でどのように活用するか、そして副作用の有無をチェックし適正な使用方法を如何にして提案していくかについて勉強した。

 次いで香川大学が世界の研究拠点である「希少糖」についての勉強を行った。徳田雅明希少糖研究センター長から希少糖全般についての研究経緯と主な生理機能の発見および実用化への展開についての講義、小川雅廣農学部教授からは、希少糖プシコースの食品としての有用性が紹介され、それがどのように食品開発に活用されているかが紹介された。
 実際にスポンジケーキをプシコースを用いて作った。参加者にとって、機能性食品を自ら作ったのは初めてであり、楽しんで手を動かし、自分が作ったものを美味しいと食していた。

 深田和弘農学部教授・希少糖研究センター副センター長からは希少糖の分子としての特性を、分子模型を自分で作ることで勉強し、全く単純な違いが大きな機能の違いを惹起することを実体験していた。


希少糖分子を模型で作っている様子

 高田悟郎希少糖研究センター准教授からは、希少糖の生産についての講義があった。でんぷんからどのようにいろいろな希少糖が酵素法でできて行くのかを勉強した。また実際の酵素法生産法を、希少糖研究センター生産ステーションの見学で説明を受けた。

 12月20日、21日には、希望者を中心に、香川大学医学部細胞情報生理学において希少糖研究の指導を行った。希少糖プシコースを用いた糖尿病や肥満を抑えるメカニズム解明のための動物実験や、希少糖アロースを用いた癌細胞増殖抑制効果を検証する実験などに参加し、原理を含め担当者から説明を受けた。実際に後者は、共同研究を始めることとした。

2. 機能性食品の開発

 希少糖を用いた機能性食品の開発については、すでに実用化まで進んでいる例として、参加者にとっては大変興味深いものであった。香川大学希少糖研究センターと共同研究・共同開発を行っている松谷化学工業(株)を見学した。

 また12月15日には、兵庫県伊丹市の松谷化学工業(株)本社研究所を訪問し、食品素材としての有用性、プシコースの大量生産方法を研究開発の苦労話を添えながら説明があった。そして防護衣に身を包み、興奮しながら工場の見学を行った。また12月17日には、2013年7月に竣工した香川県坂出市のサヌキ松谷(株)工場を見学し、プシコース入りのシロップ(希少糖含有シロップ:レアシュガースウィート)の生産過程を見学し、多くの商品に展開されていることに驚嘆していた。


松谷化学工業(株)でプシコース生産を見学

活動報告