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活動報告(公募計画コース) 第149号

中国・雲南省、昆明理工大学の学生・教員が東京理科大学を訪問 その2

東京理科大学 理工学部 教養 菅野賢治

 本プログラムの中盤には、長野県・小布施町にある東京理科大学「まちづくり研究所」と群馬県富岡市の世界遺産「富岡製糸場」を訪問するため、1泊2日の小旅行を組み込みました。

 3日目(10月24日)の朝、柏市のホテルを発った一行(本学に中国から留学中の4名の留学生も同行)は、上野から長野新幹線「あさま号」のE7系で、一路、長野へ。紅葉の時期を迎えた浅間山を右手に見ながら、世界に冠たる新幹線技術を体で感じてもらうことができました。


長野新幹線「あさま」E7系では「揺れ」の少なさを体感しました

 長野駅から小布施町に移動し、東京理科大学「まちづくり研究所」へ。東アジア随一のメガロポリス東京と、日本の伝統的な「まち」のたたずまいを残す小布施。その落差と次元の変化を味わってもらうことも、今回のプログラムの主眼の一つでした。企画に全面的にご協力くださった「まちづくり研究所」所長・川向正人先生(理工学部建築学科・教授)ならびに同研究所主任研究員・勝亦達夫さまに深くお礼申し上げます。

 午後の最初は、勝亦達夫・主任研究員による「日本のまちづくり」に関する講義です。「小布施では『観光』の代わりに『交流』という言葉を使っています」、「目先の収益のために行われる町づくりは、すぐに頭打ちになります」といった言葉がとても印象的でした。


東京理科大学「まちづくり研究所」勝亦達夫・主任研究員による講義です

 その後、勝亦・主任研究員の案内で、実際に小布施の町を皆で歩いてみました。とくに「オープンガーデン」(誰でも自由に立ち入りできる民家の庭)の取り組みには、「知らない人にどんどん入って来られて嫌じゃないのか」、「花や置物を盗まれたりする恐れはないのか」と、訪問学生たちも驚いた様子でした。
 むしろ、立ち入りを自由にすることで、高い塀や頑丈な鍵以上の防犯効果が得られているとの説明に、またまたびっくり。


小布施の「オープンガーデン」の取り組みは新鮮な驚きでした

 ふたたび会場へ戻り、小布施の町民の方々を交えての交流会に移りました。昆明理工大の学生たちから、自分たちの故郷、雲南省についてプレゼンテーションをしてもらったのち、活発な質疑応答がなされました。

 小布施の町の皆さんのなかにも、これまで中国と深い関係を結んできた方々がたくさんいらっしゃることを知って驚きました。その後、学生たちによる民族舞踊の披露と太極拳の講座、そして小布施の町の皆さんに捧げた揮毫「葛飾北斎、花之城」をもって最後を締めくくりました。

小布施町の町民の方々と(雲南の風土についてプレゼンをしました)

小布施町の町民の方々と一緒に太極拳を披露しました。



小布施町の町民の方々と(小布施の町に捧げる揮毫です)

 一年をつうじてもっとも忙しいこの時期に交流会に駆けつけて下さった小布施町の皆さま、本当にありがとうございました。

 その晩、9名の学生は、4名の長期留学生たちとともに小布施町の民泊(ホームステイ)に分宿し、日本の家庭的な雰囲気を体験することもできました。民泊の受け入れ家庭の皆さまにも心より御礼申し上げます。

 4日目(10月25日)の午前、長野市で善光寺を見学したあと、バスで富岡製糸場へ移動。今年6月、めでたく世界遺産に登録されたばかりの史跡を、富岡市世界遺産まちづくり部、稲塚広美さまの丁寧なご案内のもとで見学することができました。

 最初、フランスから移入された繰糸の技術を、すぐに全自動化して世界に再発信するあたりに、日本の科学技術の特質を感じることができました。また、日本の近代産業がこの富岡で産声を上げることとなった背景には、アヘン戦争、アロー戦争など、中国の近代史も密接に関係していたことをあらためて学びました。

富岡製糸場では、富岡市世界遺産まちづくり部・稲塚広美さまに案内していただきました

富岡製糸場の歴史には日中の近代史も深く関わっていることを学びました


 日曜の夕、関越道の渋滞にも巻き込まれて、やや疲れ気味の様子ながら、一行は無事、東京に帰り着きました。

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