2014年度 活動レポート 第115号:京都大学防災研究所(3)

2014年度活動レポート(一般公募コース)第115号

ヤンゴン大学地質学部の学生と共同研究 その3

京都大学防災研究所

日本での滞在の後半(10月23日~29日)には、30日の修了式までの間、実際に地盤構造調査のための微動観測を行ったり、宇治キャンパスの実験施設を見学したり、奈良、淡路島、神戸の見学を行ったりしました。

Microtremor observation
微動観測。

微動観測は、実際に地震計を宇治キャンパスに持ち出し、自分たちの手で微動観測を実施しました。まず初めに地震計の設置位置を計測して決め、その後、事前に受けた講習に従い地震計を設置しました。後にここで観測したデータを用いて、地盤特性を調べるための解析の演習を行いました。

After completion of the microtremor observation
微動観測終了後。

10月26日(日)には、奈良の飛鳥を見学しました。飛鳥に到着後、飛鳥駅前で自転車をレンタルし、吉備姫王墓(猿石)、鬼の雪隠、亀石を経由して、川原展望台で昼食をとりました。その後、水落遺跡、飛鳥寺を経由し、石舞台古墳へ行きました。しばらく観察したのち、高松塚古墳と高松塚壁画館で古に思いを馳せてから飛鳥駅に戻り帰路につきました。

Kibitsuhime-no-Miko("Saruishi"(Monkey Stone))
吉備姫王墓(猿石)。

Ishibutai tumulus
石舞台古墳。


10月27日(月)~28日(火)には、和歌山の和泉断層帯の根来断層の路頭の観察、新関西国際空港株式会社の訪問、野島断層保存館・神戸港震災メモリアルパークの視察、大和ハウス工業のそごう技術研究所の見学を行いました。

10月28日(火)には、野島断層保存館の見学に行きました。兵庫県南部地震の際に発生した実際の地表面断層に触れ、併設する震災体験館では模擬室で地震の揺れを体験しました。次に、液状化や震動によって崩落した岸壁が保存されているメリケン波止場(神戸港震災メモリアルパーク)を訪れました。この日の最後は、大和ハウス工業の総合技術研究所の見学を行い、最新の技術を肌で感じました。

Nozima Fault Preservation Museum
野島断層保存館。

Meriken wharf (Port of Kobe Earthquake Memorial Park)
メリケン波止場(神戸港震災メモリアルパーク)。


関西圏での見学を終えて戻ってからは、前週に行った微動観測データを用いて、地盤構造特性を調べるための解析を行いました。さらに、得られた結果を解釈するための理論計算方法についても演習を行いました。

Exercising the analysis for determining the characteristics of the subsurface soil structure
地盤構造特性を調べるための解析の演習。

最後に、10月30日(木)の修了式にて全員が3週間の研修を終えたことを示す修了証を授かりました。日本での滞在を締めくくるに当たり、各人が3週間の間に習得したことおよび滞在中の感想を発表し、全日程を終了しました。最終日には、NHKによって修了式についての取材がありました。

Opening of the completion ceremony
修了式の開会。

記念撮影。