2014年度 活動レポート 第112号:筑波大学国際室(2)

2014年度活動レポート(一般公募コース)第112号

上海中学の学生(高校2年生)が多彩な科学技術交流プログラムを体験 その2

筑波大学国際室

3日目の10月7日(火)は、研究学園都市内の研究機関として、高エネルギー加速器研究機構(KEK)と筑波宇宙センター(JAXA)を見学しました。

KEKでは、ノーベル物理学賞を受賞した小林・益川両氏の理論的検証を行ったB-factoryについて説明を受けるとともに、性能の向上を期して改造中のSuper KEKBを間近から見学しました。また、原子・分子の世界を知る放射光学研究施設(Photon Factory)を見学しました。

KEKを見学する。
 

学生たちは、こうした最先端の大型施設が一般公開されていることの素晴らしさと各国の科学者が国境を越えて共同研究することの素晴らしさを感じとったようです。

JAXAでは、宇宙ステーションコースを選択し、筑波宇宙センターの紹介ビデオを見た後、スペースドームについての説明を受け、実物大模型の「きぼう」日本実験棟に入り、宇宙飛行士の気分を体験しました。また、「きぼう」運用管制室を見学しました。JAXAを見学した印象として、背景にある高度な物理原理に基づいた宇宙工学の素晴らしさに感動したようです。

JAXAを見学。
 

この日の夕食は「回転すし」でした。上海でもこのところ回転すしのお店があるようですが、皆今回が初めての体験であり、大変興味を持ったようです。歓声を上げながら回転すしを満喫しました。

夕食は回転すしを満喫しました。

4日目の10月8日(水)は、本学の附属高校二校との交流会を行いました。午前中は文京区大塚にある筑波大学附属高等学校を訪問し、午後に世田谷区の筑波大学附属駒場高等学校を訪問しました。

附属高等学校では、ビデオによる附属高等学校の紹介と上海中学の学生代表による学校紹介があり、その後「環境問題」と「未来の科学」をテーマに、4つのグループに分かれて英語によるグループディスカッションを行いました。ちょうど前日の夜に今年のノーベル物理学賞の発表があり、3人の日本人が受賞したとのニュースの直後であり、「未来の科学」を討議するには絶好のタイミングであったようです。

 
 
附属高等学校でのグループディスカッション。

ディスカッション終了後、各グループの討議内容をとりまとめ、両校各1名による発表が行われました。日中の高校2年生同士が英語で熱く討議できたことは、双方にとって大きな成果であったようです。

午後に訪問した附属駒場高等学校では、両校学生の自己紹介の後、上海中学の一人ずつにバディが付き、グループごとに5時限目の古文、日本史、6時限目の物理、化学、地学の授業に参加し、授業を通じた相互交流が行われました。

その後、4つのグループに分かれて、「授業方法や授業内容の相違」と「アジアの青少年の交流による輝くアジアの科学技術の進展への期待」をテーマにグループディスカッションが行われ、最後にグループ毎にそれぞれの学校代表からとりまとめの発表が行われました。今回の学生交流を通じて、双方が刺激を受け、視野を広げる機会になったようです。

附属駒場高等学校でのグループディスカッション。

学生たちの相互交流とともに、それぞれの学校において、上海中学の朱 臻副校長と今後の両校の交流について意見交換が行われました。今回の交流を機会に上海中学と筑波大学附属高校との交流の発展が期待されます。