2023年度 活動レポート 第130号:立命館大学

2023年度活動レポート(一般公募プログラム)第130号 (Aコース)

日印のインフラ環境と科学技術に関する研究と日本文化交流

立命館大学からの報告

 2023年12月10日から12月16日にかけて、インド工科大学ハイデラバード校から9名の学部生を受け入れました。
 立命館大学では、科学技術イノベーションに貢献しうる海外の優秀な人材との継続的な研究等の交流を目的として、インド工科大学ハイデラバード校を対象とした日本の科学技術について学ぶプログラムを2015年から実施しています。(新型コロナウイルスの影響により2020年~2022年は中止。)
 今回のプログラムでは水問題・ゴミ(廃棄物)問題、インフラ問題に焦点を当て、関連する専門分野の本学教員による講義や研究室見学、下水処理場や企業訪問を通じて、日本の最新の研究や技術に直接ふれる機会を設けました。
 教員の研究内容を紹介する研究室公開では、ゼミ生からの研究紹介もあり、インド学生が熱心に講義を聞く姿が見られ積極的な質問も多くありました。

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 インフラ体験として、本学学生が新幹線乗車(米原~京都)や京都・滋賀の歴史的街並みを案内しました。日本の協力によって、ムンバイとアーメダバードを結ぶ新幹線方式の高速鉄道が建設中であり、インド学生にとって新幹線の初乗車は、自国の交通インフラの将来発展を想像させる体験となったことと思います。京都の伏見稲荷や滋賀の彦根城など、歴史的建造物や綺麗な街並みにも触れ、感銘を受けている様子が伝わりました。

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フィールドワークで新幹線乗車体験

 日本の科学技術に触れる機会として、スズキ株式会社湖西工場(自動化技術)と株式会社日吉・沖島浄化センター(環境測定技術と排水処理技術)を訪問しました。マルチ・スズキ・インディアとして生産・販売台数を伸ばしているスズキ株式会社から、インド工科大学ハイデラバード校の学生との交流希望があり、実現した工場見学です。湖西工場では四輪車の生産工場を見学し、プレスから組立、完成検査など工場ラインの説明をしていただきました。
 株式会社日吉では、ムンバイ出身の社員も活躍しており、日本のし尿・生活排水の処理技術やダイオキシン類の分析技術が紹介され、琵琶湖の沖島浄化センターで現場を視察し、自国の衛生環境の改善に向けて、学生から多くの質問が投げかけられました。

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左:スズキ株式会社湖西工場見学、右:株式会社日吉・沖島浄化センター見学

 日本の文化や歴史、科学技術に触れることで、日本への興味・関心を高め、今後の研究交流・留学の推進を図るべく日本語講座の開講、日本文化体験(着物や袴の着付け)を行いました。日本文化の講師から着付けの方法についてレクチャーを受けた後、インド学生同士で着付けをし合い、講師の力も借りてみなさん綺麗に浴衣を着ることができました。うちわや日本刀のおもちゃなど小道具にも興味津々で互いに写真を取り合ったり、母国の友人にビデオ通話で浴衣姿を見せたりする学生もおり、興奮した姿が見られました。
 そのほかには、立命館大学の学生の企画により、日本文化に関する質問大会や、けん玉、椅子取りゲーム、箸使い対決などで日本の昔ながらの遊びに触れ、両大学の学生の親睦を深めました。Welcome partyやFarewell partyも学生が主導で運営し、フルーツバスケットなどの遊びを行いました。学生らが主体的に企画・実施したことで、会話も弾み、双方にとって良い国際交流の機会となったと考えます。

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けん玉遊び

 プログラムの最終日には、成果報告会を実施し、滞在中に学んだ最先端の科学技術・日本文化に関するプレゼンテーションを行いました。8~9月に本学からインド工科大学ハイデラバード校に訪問した日本人学生も資料作りやプレゼンテーションに参加し、協力し合うことでそれぞれの研究テーマについて理解を深めました。

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成果報告会にて

 プログラムに参加したインド人学生からコメントを頂きましたので、いくつか紹介させていただきます。

  • I had heard about the fastest train and actual travelling on it was a really great experience.
  • I felt the landscape and beauty of Japan.
  • The people are very good, helping and supportive for us.
  • Visiting various places in Kyoto and nearby places was really fun.

 プログラム実施後も、日印の学生、教職員間で連絡を取り合うなど交流が続いております。
 双方の大学にとって実りのある貴重な経験になったと感じます。

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