2021年度 活動レポート 第15号:静岡大学

2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第015号 (代替オンライン)

4カ国の大学によるクリーン科学技術に関する国際カンファレンス

静岡大学グリーン科学技術研究所からの報告

さくらサイエンスプログラムの支援を受け、2020年7月にB.共同研究活動コースとしてインド国立薬科教育研究所(National Institute of Pharmaceutical Education and Research、NIPER)から教員1名と大学院生9名が参画する「持続可能な社会を実現するグリーン科学技術」を企画しました。NIPERは、1991年に創設され、インド政府により医薬品科学分野の先端拠点として「国家重要機関Institute of National Importance」と1998年以来認定されており、インドだけでなく東南アジア、南アジアにおける医薬品科学分野の研究をリードしている大学院大学です。デリーから約250 km北のNagar(Mohali)にキャンパスを置き、修士課程・博士課程において、薬学、毒物学、天然物学、生物工学など、10の専攻よる教育・研究を行っています。

しかし、COVID-19のため、来日が不可能となり、オンラインプログラムに変更しました。オンラインプログラムとして、国際カンファレンス「International Conference on Green Science and Technology 2021 (ICGST 2021)」を2021年9月21日~22日に開催しました。このカンファレンスは、NIPER(インド)だけでなく、ガジャマダ大学(UGM・インドネシア)、マレーシア工科大学(UTM・マレーシア)、マレーシアプトラ大学(UPM・マレーシア)、静岡大学(日本)の4ケ国で2019年から打合せを続け、世界で初めて開催されたグリーン科学技術に関する国際カンファレンスになります。

第1回目の開催となるカンファレンスは、両日で約270名の方々が参加され、静岡大学グリーン科学技術研究所が議長国となり、同研究所 朴所長が議長の挨拶の中で、なぜ今グリーン科学技術が必要なのか、また、このカンファレンスを開催する目的や各大学との共同研究について紹介がありました。続いて、グローバル課題として掲げられている17の持続可能な開発目標(SDGs)の内、2(飢餓をゼロに)、3(すべての人に健康と福祉を)、7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに)の3つの目標にフォーカスし、各国から推薦された研究者による講演(特別講演1件、基調講演3件、招待講演10件)と学生(24件)による発表が2日間にわたってありました。NIPERからも3件の学生発表があり、Amanpreet Kaurさんが「Nanocrystalline Solid Dispersion of Voriconazole for use as Dry Powder for Inhalation」の発表において、「Best Presentation Award for the most outstanding presentation」を受賞されました。COVID-19のため、制限された活動の中でも研究を続け、受賞されたことは称賛に値します。

今回のオンラインプログラムはNIPERに限定された取り組みではありませんが、各国の複数の機関からの参画と発表、そして、ポスター発表における交流があり、当初の想定を超える記念すべきカンファレンスになりました。このような貴重な機会を与えていただいた科学技術振興機構に深くお礼を申し上げます。

発表した学生たち